山下晃和の極楽台湾ツーリング!part.1

createcamera_altJunichi Yasumuro
personAkikazu Yamashita
tag_facesSyumin Lin
暑い夏が過ぎれば、次は過ごしやすい秋がやってくるというのはごく自然なことなのだが、近年は夏の暑さが長引き、快適な秋はアッという間に過ぎ去って寒い冬がやってくるという異常気象に、多くのライダーは落胆している。そんなライダーたちに向け、ゼロマガジンは引き続き、年中暖かな台湾の旅をおすすめする!前回は惜しくも島の北半分のみとなってしまったので、今回は南半分をメインに3泊4日のツーリングをおこなった。日本のライダーがインナーを着込み、重厚なアウターで寒さと戦いはじめる時期も、台湾ならば軽いアウター1枚で十分。希少な秋を楽しんだら、次は日本を抜け出して、1年中ツーリングを楽しむことができる南の島へ走りに行ってみてはいかが?
前回の台湾ツーリング記事はこちら!
暖かく、快適に走れることが最大の魅力!

台湾は北部が亜熱帯気候、南部が熱帯気候で、一年を通して温暖な国。日本のライダーには、オートバイというよりも、むしろスクーターが多い国として認識されている。たしかに台北の中心地にはスクーターが溢れ、その大集団の信号待ち風景に驚く。その分、街のあちこちに専用の駐輪スペースが設けられていて、駐車場探しに四苦八苦している日本のライダーからしたら、羨ましい状況だ。道路も混雑しているのは台北市内だけで、離れればクルマもバイクも少なくなる。日本とは逆の左側通行だが、道幅も比較的広く、少し走れば慣れてしまい、たちまちパラダイスに変わる。今回は南側半分をメインに周遊。さぁて、今回はどんなツーリングになったのだろうか!
日本から台北へのフライトは3時間半。時差も1時間で、時間感覚はほとんど変わらない。また、台湾は11月後半でも昼間はまだ半袖で過ごせるほど暖かい。さらに台南方面は台北よりも温暖と聞いていたので、俄然期待が高まる。その前に、ツーリングの相棒をピックアップ。お世話になるのは前回同様のレンタルバイクショップ鈴鹿重車。そして、山下くんの相棒となる車両はヤマハのミドルクラススポーツネイキッド「XJ-6N」。ビギナーからベテランまで楽しむことができるベーシックな一台だ。手続きを早々に済ませたら、ホテルに直行してチェックイン。早めの就寝で、明日からのツーリングに備えた。
いざ台南へ!
1日目 : 走行距離約365km

ツーリングはじまりの日、台北市内に集合。今回は前回と比べて一日の走行距離が長くなる。まずは同じ(台北ー宜蘭ー蘇墺)道を通り、一路南へと向かう。残念ながら天気予報は曇り後雨。午前中は大丈夫そうだが、雲行きは怪しい...。
レインウェアを準備して出発。台北の街中は交通量が多いので慎重に。また台湾では法律でオートバイが高速道路(有料)を走ることができない。しかし快速道(無料)という道路は、250cc以上のオートバイであれば通行可能となっている。途中までは、前回のツーリングで走った道なので、風景を思い出しながらライディングを楽しむ。

台北から新店方面へ、1時間半程走ったところでひと休み。お茶の産地として有名な坪林で朝食をとる。


メニューは、お茶から作られる茶油を茹でた素麺と野菜に混ぜた茶油麺線とスープ、そして卵に大根干しを混ぜて焼いた卵焼きの菜脯蛋。どれもあっさりとしていて美味しい。

お腹を満たしたら再出発、宜蘭を抜け、台湾一の絶景が見れるスリリングな道、蘇花公路へ。

しかし残念ながらここで雨がポツリ...。この際、雨も楽しみながら走ることにしよう。

途中、給油や休憩をはさんで、蘇花公路を走り切り、東部最大の都市、花蓮にてランチ。志学駅前の定食屋さんに入った。


こちらでは、ボリューム満点の腿排配菜飯(鶏ももの丸揚げ定食)と扁食(ワンタン)をいただいた。

すごく美味しかったが、その量に苦戦...。食後の眠気に襲われる前に出発をした。


花蓮からは、内陸の道(花東縦谷公路)を通って南下。自然豊かな田舎の風景が続き、長閑な道をひたすら走り続けること100km、台東の池上に入ったところで、近年有名なったというスポットへ。ここは美しい田園風景が見られる"伯朗大道"という場所で、台湾の航空会社バニラエアのCMに使用され(出演は金城武)、それ以来、観光客で大いに賑わっているという。

しばし映画のセットのような整然とした風景を堪能し、本日の宿がある鹿野へ。ツーリング初日の緊張と雨の中の長距離移動でさすがに疲れ、その日は早めに就寝することに。
(part.2へつづく)
台湾立寄りスポット

泰豊茶荘 (map A)

良質な包種茶(半発酵のお茶で味は緑茶に近い)の産地で知られている街、坪林にあるお店。台北市からはクルマで約1時間半。屋台のようなオープンな雰囲気の中、料理を楽しむことができる。店内には包茶のほか、茶樹の実から抽出した油「茶油」も販売している。
蘇花公路 (map B)

蘇澳から花蓮を結ぶ全長約120kmの臨海道路。1924年に開通し、台湾東部の物資輸送のルートとして使用されている。眺めがよく、ツーリングには最適。清水断崖と呼ばれる辺りは断崖が数百mも続き、特にスリリングなライドを味わうことができる。
志学駅前 (map C)

台湾東部の玄関口として知られている花蓮市。志学駅は、新北市の樹林から台東市の知本までを運行する普悠瑪列車の停車駅。近くには国立東華大学がある。店は駅のすぐ目の前。入口は小さめだが、店内はひろく、平日は学生で賑わう。料理のボリュームは多め。
伯朗大道 (map D)

台東県池上郷の田園地帯にある道。台湾の有名珈琲チェーン店の「伯朗咖啡」やバニラエアのCMなどにも使用され、一躍有名な観光スポットに。電柱がなく、広大な水田にスッと真っすぐに伸びる道はその緑の美しさから「緑の天国の道」とも呼ばれている。
スピード違反取締カメラ

台湾は日本以上にスピード違反に関しての取締りが厳しい。写真のような速度違反の取締り用カメラがかなり多くの場所に設置してあるのでご注意を(特にスピードを出しがちな場所に多い)。ちなみに台湾の速度違反取締り用カメラは車両後方から撮影をおこなう。
台北の交通状況

台北市内はクルマやスクーターが圧倒的に多く、渋滞もかなり起こる。また信号待ちでは、スクーターがクルマの前にギッシリと並ぶので、発進時には注意が必要。スクーターのすり抜けもかなり多い。台北郊外に出れば交通量は減り、流れもスムーズになる。
鈴鹿重車

日本車を中心としてドゥカティ、ハーレーダビッドソン、アプリリアなど幅広く車種を取り扱っているレンタルバイクショップ。レンタルは1日2800元(約10400円)〜2日以上のレンタルで大幅な割引も有!