山下晃和の極楽台湾ツーリング!part.3

createcamera_altJunichi Yasumuro
personAkikazu Yamashita
tag_facesSyumin Lin
阿里山を越えて!
3日目 : 走行距離約235km

ツーリングの折り返しとなる3日目、本日も快晴に恵まれた。気持ちよく出発したものの、早々に通勤ラッシュに巻き込まれてしまう...。

日本では、これだけのスクーターに囲まれることもないので、いい土産話になるだろう。

本日の予定走行距離は235km程。初日、2日目に比べて少し短く、台南から東に向かって走り出す。

市内を抜けて高雄の甲仙という芋の名産地で名物の芋アイスを堪能し、ひと休みをしたらバイクにまたがる。

右に左にオートバイを操り、気持ちのよい山間を走ること30分。到着したのは小林里という場所。


ここには元々小さな村があったのだが、2009年8月に台風による大きな土砂災害で、集落の中心が完全に埋没、犠牲者は約500人にも及んだ。その土地を知ることで、旅の楽しみ方も変わる。慰霊碑に哀悼の意を表してその場を後にした。

更に山間を進み、美しい緑の景色を堪能しながら走っていると、イキナリ西洋風の門が現れる、坂を上って到着したのは錫安山。

ここは、元々荒涼としていた地を、新約教会の敬虔な信者たちが開拓した土地。

オススメしている栄養ドリンク的な松葉汁を飲んでみた。その味は、一見苦そうな色をしているが、程よい酸味のあるスポーツドリンクのような味で、一口飲むとクセになる。

昼食は錫安山から少し移動をした原住民の暮らす那瑪夏区へ。地元の素朴な雰囲気の定食屋でとった。


料理は豚肉、鶏肉、ソーセージの網焼きや青菜と卵の炒め物、そして川魚を揚げたものなど。シンプルな味付けだが、和食のような美味しさ。台湾の料理は日本人の口にも合う。

お腹を満たしたら、隣のカフェにて一休み。食事と昼寝で体力を回復させ、阿里山方面へと山道を上って行く。

標高が上がり、次第に肌寒くなってくる。途中から霧に包まれ、目の前が真っ白になる場面もありヒヤッとした。

さらに、山道特有のタイトなコーナーが続き、ようやく阿里山遊樂区のゲート前に到着。ゲートから少し行くと有名な夫婦の木が見えた。二本の木が寄り添うように並ぶ風景は美しいだけでなく、霧がかかっていてどこか神秘的であった。

そんな景勝地を目に焼き付け、本日の宿となる南投県南部の奥座敷にひっそりと佇む温泉街の東埔温泉へ。深い霧のため、山を越えるのに想像以上に時間がかかり、温泉街に着くころには辺りはすでに真っ暗。無事宿に着くや否や、温泉に浸かり、これまでのツーリングを思い返しつつ、疲れを癒した。
(part.4へつづく)
- 次回予告(2016.8.24更新予定)
- いよいよ最終日の台湾ツーリング!
観光リゾートの日月潭を堪能し、ゴールの台北へ!
台湾立寄りスポット

甲仙芋氷創始店 (map J)

タロ芋が名産の町、甲仙にある観光客やツーリングライダーに人気のお店。一番人気のタロ芋アイスは、少し粘り気があり、甘さ控えめの優しい味で、スイーツ好きだけでなく、暑さ厳しい台南旅行でのクールダウンにも最適。その他、タロ芋を使用したケーキや菓子、餅などのお土産物も販売している。
小林里 (map K)

高雄県甲仙郷にある小林村。元々は知る人も少ない小さな村であったが、2009年8月9日に起こった台風豪雨による土砂災害で村全体が流され消滅。169戸、500人が犠牲となり、広く知られるようになった。被災した現場を見下ろすことができる小高い場所には、被災者たちを弔う墓標や石碑、祭祀場が建てられている。
錫安山 (map L)

元々何もなかった山を、新約教会の信徒たちが理想の家郷を目指して開拓をはじめ、長い年月をかけて作り上げた場所。敷地内には、住居や農菜園をはじめ、祭壇、歴史館、集会所、レストラン、売店などあらゆる設備が整っている。一般開放をしているので、観光客も自由に訪れることができる(*一部決まりは有)。
開放時間はAM6:30〜PM5:30。
姉妹小吃 (map M)

高雄市の那瑪夏区(高雄県の3原住民郷のひとつで、区内にはツォウ族、ブヌン族、ルカイ族が居住している)にある、原住民姉妹が経営しているオープンスタイルのカフェ。店内には、木製のテーブルや椅子、そして壁には民族調のキルトなどが飾られていて、雰囲気のある中、美味しいコーヒーや軽食を楽しむことができる。
阿里山遊樂区 (map N)

台湾のマウンテンリゾートとして有名な阿里山。世界中の鉄道ファンから注目されている登山鉄道や玉山山系から昇る御来光、美しい檜の原生林など、見どころ満載のスポットとなっている。林務局が管理する遊樂区には、阿里山住民の信仰の中心的存在となっている受鎮宮や緑に囲まれた美しい姉妹潭、樹齢1000年を超える台湾檜等が並ぶ木製の歩道が設置されている。
夫婦樹 (map O)


阿里山を走る21号線の道路脇にある2本の檜。その2本は、まるで夫婦が寄り添っているように見えるところから夫妻樹と呼ばれ、有名なスポットとなっている。未婚の男性が女樹木を、未婚の女性が男樹を撫ぜると、伴侶に恵まれるという言伝えがある。