食いしん坊ライダー in 会津若松・喜多方!山下晃和のグルメツーvol.2

createJunichi Yasumuro
camera_altNoboru Ikemoto
personAkikazu Yamashita
やってきました食欲の秋!ライダーにとっての楽しみ"走"、"食"、"景"を一度に味わえるベストグルメツーリングシーズン。バイクに乗って、楽しく走って、美味しいものを食す。シンプルかつ揺るぎないグルメツーリング企画「食いしん坊ライダー」が帰ってきた!今回の向かう地は、空気も水もキレイで、グルメも盛り沢山の地、福島県は会津若松周辺。身近な東北として日帰りも可能。全国制覇への第二歩として意気揚々と向かった!もちろんライダーは、鋼の肉体と強靭な胃袋を持つ食いしん坊ライダー"山下晃和"!。オートバイは、HONDAの人気スクーター、ズーマーをパワーアップさせた兄貴分のズーマーXで会津若松周辺を駆け喰い巡る!
キビキビ走るマシンで歴史とグルメを満喫!

前回の大阪に引き続き、日本全国、美味しいもの巡りのツーリング第二弾の地として選ばれたのは福島県の会津若松・喜多方。ここは空気も水もきれいで魅力的なグルメも数多く、実はライダーたちにも人気の土地。ツーリングをするにも自然に囲まれ清々しく、また道も走り易くて快適。さらには歴史情緒も窺える土地で、観光要素も充実、とくに歴史好きライダーにはたまらない場所だ。そんな場所を、食いしん坊ライダーの山下晃和が、パワフル&コンパクトな相棒HONDAのズーマーXで巡る。今回のルートは、大内宿からスタートし、鶴ヶ城周辺、会津若松市、喜多方の3ヶ所、7店舗を巡る。そば、とんかつ、スイーツ、駄菓子、やきそば、ラーメンと福島グルメのフルコースをご覧あれ。

無事、第二回目を行なうこととなった食いしん坊企画。今回の相棒は前回に引き続き、小排気量のニクいヤツ的な車両。巷で人気の50ccスクーター、ズーマーの兄貴分"ズーマーX"。僕くらいの体格だと50ccでは頼りなく、この位のボディサイズと排気量のほうが扱い易くて快適。さらに狭い道や混雑している道路などでも小回りが効くので、この企画にはベスト!

まずは、人気の観光スポットとして賑わうスタート地点の大内宿まで。コンパクトなボディながらもパワフルで、加速もいい。これなら、楽しいグルメツーリングができそうだ!などと感心をしているうちに、大内宿に到着。腹ごなしがてら、高台にある神社で本日の安全祈願をした。

高台からは江戸時代にタイムスリップした感覚を味わえる街並を一望できる。「よし!」と気合いを入れ、清々しい気分で早速一軒目に向かった。

今回の第一食目は大内宿名物のねぎそば。そばの中にねぎがたくさん入っているのでなく、ねぎをそのまま箸代わりにして食べるという大胆なもの。コシのあるそばをすすりながら、ねぎを少しずつかじるのが正しい食べ方。はじめは少々苦労するが、すぐに慣れる。ただ、ねぎをかじり過ぎるとそばが食べ難くなるのでご注意を。

蕎麦はスッキリとした味わいなので、ペロッとたいらげてしまった。是非一度体験して欲しい一杯。その後、ちょっと昔の宿場町の雰囲気を味わいながら町中を散歩し、次の店へ。

大内宿から鶴ヶ城へ向かう途中にある二軒目は、トンカツで有名な「むらい」。オーソドックスな店構えに広い駐車場。休日は地元の人と観光客、そしてツーリングライダーが大勢並んでいるようだが、本日は平日かつ早い時間だったので、割とすんなりと店内に入ることができた。席に座り、早速一番人気のソースカツ丼を注文。待つこと5分、店員さんが運ぶ器を見て、思わずギョッとした。「で、でかい!」分厚く大きなカツが5切れ、丼からかなりはみ出ている。目の前に置かれるとさらにその存在感は増す。「序盤からかなりの強敵が...」と一瞬ひるんでしまったが、気を取り直してかぶりつく。

肉厚だけど脂身が少ないので、意外とあっさりといける。だが、一切れの大きさはビッグ。編集Y氏もTカメラマンも苦笑い。丼と30分の格闘の上、なんとか完食。味は美味しい!強敵だった!

ちょっとお腹が膨れたので、鶴ヶ城(会津若松城)見学で腹ごなし。城の入口前でゆるキャラの「お城ボくん」がお出迎え。何を隠そう、このキャラクター、あのタツノコプロダクションで活躍するイラストレーターさんが手掛けたもの。そう聞くと不思議とスゴイと感じてしまう。

城内では、会津の有名な女性、大河ドラマ「八重の桜」でも有名な新島八重さんの人物紹介VTRや白虎隊の肖像画のほか、城の内装や鉄砲のレプリカも飾ってあって、かなり充実した展示内容。城内を下から上までぐるっとまわって満喫。

お腹もこなれてきたところで、再び出発!まずは城にほど近い本丸茶屋で名物の天ぷらまんじゅうをいただいた。名前のとおり、まんじゅうに衣をつけて揚げたもの。

パクッと二口でたいらげた。揚げているので、甘さが増している感じ。なんとも不思議な食感のスイーツだった。

グルメツーも中盤に差し掛かる。次は会津のB級グルメとして有名なカレーやきそばだ。料理を出してくれる寿楽さんは雰囲気のあるレトロな居酒屋さんで、店内はなんともいい感じ。メニュー名からどんなものかは想像できるが、まさしくその通り、やきそばの上にカレーがかかっている。「そのままやないか~い!」と思わずツッコミを入れたくなるが、黙って一口。

「おっ!旨いっ!」ソース味の焼きそばにスパイシーなカレーを絡めて食べるのだが、これがまたマッチして食欲をそそる。皿の上はあっという間にキレイに。後を引く味だった。

食後のコーヒーは、会津若松の中町にある珈琲館蔵へ。ここは明治12年に建てられた板蔵を改築し、1976年にオープンしたお店。店内に入るとどこか懐かしい感じがする。蔵物語というコーヒーフロートとウインナーコーヒーを掛け合わせた人気のメニューを注文。美味しいが、ちと甘い。甘党の人にはいいかもしれない。

店の独特の雰囲気を味わいながらひと休み。コーヒーの他、ハヤシライスもおすすめということ。

ひといきついたら、江戸時代創業の歴史ある会津駄菓子の店へちょっと寄り道。レトロな佇まいの外観にしばし見入る...。一歩店内に入ると中はキレイで、昔ながらの駄菓子がずらり。子供の頃に戻ったように菓子選びに夢中になり、大人買い。

我慢できずに外で早速いただいた。甘く、美味しく、懐かしい。しばしノスタルジーに浸った...。

そして本日の締めは全国区な喜多方ラーメン!ご当地に有名店は数あれど、今回訪れた「松食堂」さんは、地元の人に親しまれているお店。メニューは中華そばとチャーシューメンのみと潔い。自慢のチャーシューは柔らかくてジューシー。あっさりとした味わいのラーメンがまた肉の旨さを引き立てる。満腹であっても、それを超える旨さがあり、無論完食。

麺類が充実しているなと改めて感じた福島グルメ。あぁ、旨さは幸せに繋がっている!本日は全5食+コーヒー&お菓子を美味しくいただきました。皆さんも会津若松周辺を訪れた際には是非、今回紹介したお店を訪ねてみてください。食いしん坊ライダーお墨付きです!さぁて、次はどこを巡ろうかぁ~!
今回のコース&立寄りスポット紹介
大内宿

江戸時代の町並みを今に残している「大内宿」。会津と日光を結ぶ街道(会津西街道)の両脇に茅葺き屋根の建物が並び、当時は大名の参勤交代や廻米など物資輸送、また旅人の宿場町として重要な役割を果たしていた。昭和56年4月に国指定「重要伝統的建造物群保存地区」となり、今もなお30軒以上の茅葺き屋根の民家が並び、毎年多くの観光客が訪れる人気スポットとして賑わいを見せている。
石原屋

大内宿はそばを扱う店が多く、ねぎそばが名物となっている。祝いの席で、「切ると縁起が悪い」ということで、ねぎをまるごと一本添えたのがはじまりという説もあるメニュー。石原屋は大内宿の中ほどに居を構える美味しい蕎麦とコーヒーが味わえるお店で、甘味も味わうことができる。今回食いしん坊ライダー山下は宿場町の雰囲気を味わえる縁側席でねぎそば(¥950)をいただいた。
営業時間:8:30~17:00
定休日:不定休
TEL.0241-68-2914
むらい

ご当地グルメとして人気のソースカツ丼。ほかほかのご飯の上に、キャベツの千切りをのせ、その上に各店秘伝のソースに浸した揚げたてのカツをのせる。シンプルだが実に奥深い逸品。むらいでは、会津産のコシヒカリと上質かつ分厚い豚ロースを使用している。まずその大きさに驚かされるが、味も絶品。腹ぺこライダーであれば、完食は可能。今回食いしん坊ライダー山下がいただいたのは、ロースカツ丼(¥1,300)。海老・ひれかつ丼(¥1,450)も人気。
営業時間:11:00~14:00 17:30~20:00
定休日:木曜日
TEL.0242-26-1037
鶴ヶ城

会津若松を代表する観光スポット。1384年蘆名直盛がこの地に館を作ったことがはじまりとされているお城で、戊辰戦争のとき、新政府軍が一ヶ月かけても落ちなかったという難攻不落の城として有名となった。地元では会津若松城とも呼ばれている。お城の中は5層になっていて、歴代の藩主とお城の変遷や江戸時代の会津藩の様子、錦絵による会津戊辰戦争の紹介、会津で行なわれる年中行事などを知ることができる。また天守閣から見る会津の街の風景も壮観。
営業時間:8:30~17:00
定休日:無休
入場料:大人(高校生以上)410円 小人(小・中学生)150円
TEL.0242-27-4005
launchhttp://www.tsurugajo.com/turugajo/shiro-top.html
本丸茶屋

鶴ヶ城のお堀沿いにある雰囲気のある茶屋。福島名物や限定のメニューが豊富で、天ぷらまんじゅう(¥100)やソースカツ丼(¥1,000)、そして3種類の味を選べる限定のさくらバーガー(¥450)も人気。まんじゅうに衣をつけて揚げた天ぷらまんじゅうは、不思議な食感が魅力のご当地スイーツ。お堀を眺めながら食べるのもまた乙なもの。
寿楽

会津が誇るB級グルメが会津カレー焼きそば。カレー味の焼きそばではなく、ソース味の焼きそばにカレーをトッピングしたもの。昭和50年代から存在し、味付けは店によって様々。ラーメン居酒屋寿楽のものは、ピリッとスパイシーなカレーがトッピングされた一品で、大人向けの味。「カレー」と「焼きそば」という最強のメニューがタッグを組んだ逸品。美味しくない訳がない!
営業時間:18:00~26:30
定休日:日曜日
TEL.0242-24-8641
launchhttp://www.curry-yakisoba.com/shop_15.html
珈琲館 蔵

1976年オープンの明治時代に建てられた蔵を店舗として改装した店。店内に入ると巨大な観音菩薩像がお出迎え。店内はレトロな雰囲気と個性を感じるオブジェがたくさん並んでいて、目を楽しませてくれる。コーヒーの他、軽食やパフェなどのスイーツも充実。今回食いしん坊ライダー山下がいただいたのは、コーヒーフロートとウインナーコーヒーを掛け合わせた人気の一品「蔵物語」(¥650)。また磐梯・龍ヶ沢の湧水を使用しているコーヒー(¥420)もおすすめ。
営業時間:8:00~21:00
定休日:第3木曜日
TEL.0242-27-3791
launchhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~udafct/kura2.htm
長門屋

江戸時代から続く、会津駄菓子の老舗。粒栗や大納言小豆、鬼クルミといった最高の素材を使用し、菓子はひとつひとつ手作り。実際に職人が自らの目と手で確かめ、本当の味を守り続けている。店に並ぶ菓子は、黒パン、とり飴、金花糖といった会津伝統の駄菓子とかるめやきといったポピュラーな昔懐かしいもの、また贈答用の上品な菓子も揃える。大人がついつい子供に戻ってしまうお店。食いしん坊ライダー山下も籠いっぱいの駄菓子を購入した!
営業時間:8:30~18:00
定休日:年末年始を除き年中無休
TEL.0242-27-1358
launchhttp://www.nagatoya.net/home/
松食堂

喜多方ラーメンのご当地で観光客だけでなく、地元の人にも人気のお店。麺は平打ちのちぢれ太麺を使用、自慢のじっくりと煮込んだ柔らかなチャーシューは、口に入れるととろけて無くなるほどの食感でやみつきになる逸品。あっさりめのスープとの相性もバッチリで、チャーシュー好きならきっとハマる。メニューは中華そば(¥600)とチャーシューメン(¥800)のみ。
営業時間:10:30~17:00*スープがなくなり次第終了
定休日:不定休
TEL.0242-22-9904
launchhttp://www.ramenkai.com/list/detail.php?i=23
MOTORCYCLE SPEC
HONDA ZOOMER X

全長/全幅/全高 | 1830mm/760mm/1065mm |
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シート高 | 763mm |
装備重量 | 105kg |
排気量 | 107cc |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒OHC |
最高出力 | 8.8PS/8000rpm |
最大トルク | 0.91kgf/m/6500rpm |
タンク容量 | 4.5L |
価格 | ¥278,640 |
ナビゲータープロフィール
山下晃和

1980年5月21日生まれ。モデル、トラベルライターとして活躍。アウトドア、ファッション、スポーツ、バイク、登山、自転車雑誌など幅広いジャンルに登場、寄稿している。また自らもオフロードバイクに乗るライダーでもある。著書「自転車ロングツーリング入門」(実業之日本社刊)も好評発売中!